2026年1月17日に実施された大学入学共通テストの「歴史総合・世界史探究」で、思わぬ題材が登場し大きな話題となりました。
それが――漫画『ベルサイユのばら(ベルばら)』です。
X(旧ツイッター)では試験終了直後から、
- 「ベルばら出てきてびっくりした」
- 「見とけば良かった…」
- 「読んでて助かった!」
といった声が相次ぎ、「ベルサイユのばら」「ベルばら」がトレンド入りしました。
今回は、なぜ共通テストにベルばらが登場したのか、問題の内容や背景、そして今後の大学入試の変化について分かりやすく解説します。
共通テスト世界史にベルばらが登場
今回ベルばらが引用されたのは、
「歴史総合、世界史探究」のフランス革命を扱った問題です。
問題文では、主人公であるオスカル・フランソワ・ド・ジャルジェの人物設定が取り上げられました。
- 貴族の娘として生まれながら
- 将軍である父の命により「男性として育てられた」存在
この設定をもとに、当時のフランス社会における
- 女性の地位
- 家父長制
- 貴族社会の価値観
について考えさせる内容となっていました。
名場面「バスティーユへ!!」も問題文に
さらに問題文には、ベルばらファンなら誰もが知る名シーン、
「バスティーユへ!!」
と民衆を率いてオスカルが出撃する場面も掲載。
この場面と実際のフランス革命の出来事を年代順に並べる設問が出題され、単なる知識暗記ではなく、
- 史実と物語を照らし合わせて考える力
- 歴史的背景を読み解く力
が問われる問題構成となっていました。
SNSでは受験生の悲喜こもごも
試験後、X(旧ツイッター)では受験生と思われる投稿が相次ぎました。
- 「ベルばら出てきたおかげで点数取れた!」
- 「まじで見とけば良かった」
- 「今年の共テ、激アツすぎる」
一方で、「漫画が出題されるのは運の要素が大きいのでは?」という声もあり、賛否を含め大きな反響を呼びました。
日本史でも「ジェンダー視点」の出題
今回の共通テストでは、世界史だけでなく
「日本史探究」でもジェンダーの視点を重視した問題が出題されています。
鎌倉時代:北条政子
- 源頼朝の死後に実権を握った存在
- 歴史書『愚管抄』の記述を読み解く問題
室町時代:日野富子
- かつては「悪女」とされた人物
- 近年の研究により評価が見直されている点を問う内容
さらに江戸時代では、
- 「牝鶏(ひんけい)晨(あした)す」
(女性が権力を持つ家や国は滅びるという儒教的価値観)
といった言葉を通じ、家父長制的価値観がどのように広がったかを考えさせる設問も出されました。
なぜ漫画が試験問題に使われるのか
実は、漫画やアニメが大学入試で使われるのは今回が初めてではありません。
過去には、
- 2017年:日本史Aで「妖怪ウォッチ」「ゲゲゲの鬼太郎」
- 2014年:日本史Bで手塚治虫『紙の砦』
- 2025年:日本史探究で長谷川町子『意地悪ばあさん』
などが出題されています。
近年の共通テストは、旧センター試験と比べて、
- 資料読解型
- 会話文形式
- 実生活と結びつけた設問
が増えており、**「知識をどう使うか」**が重視される傾向が強まっています。
「漫画で学ぶ歴史」という新たな可能性
ベルばらは1972年から連載が始まり、単行本累計2000万部を超える大ヒット作品。
フランス革命という難解なテーマを、
- 人物の感情
- 社会の矛盾
- 時代のうねり
として体感できる点が、長年教育現場でも評価されてきました。
実際、学校の図書館には
- 『ベルサイユのばら』
- 『あさきゆめみし』
- 『ブッダ』
- 『ブラック・ジャック』
などが「受験参考資料」として置かれていたという声も少なくありません。
今回の出題は、そうした流れを改めて可視化した出来事とも言えるでしょう。
暗記から「考える歴史」へ
今回の共通テストが示したのは、
歴史は覚えるものではなく、考えるもの
という明確なメッセージです。
史実を丸暗記するだけでなく、
- なぜそうなったのか
- 当時の人々はどう生きていたのか
- 現代社会とどうつながるのか
を多角的に考察する力が、今後ますます求められていくと考えられます。
まとめ|ベルばらは“娯楽”から“学び”へ
共通テストに「ベルサイユのばら」が登場したことは、単なる話題作りではありません。
- 漫画や物語も立派な「資料」になり得る
- 歴史教育が新しいステージに進んでいる
そんな時代の変化を象徴する出来事でした。
受験生にとっては驚きの出題だったかもしれませんが、
これからの学びは、教科書の外にも広がっていく――。
そう感じさせる、印象的な共通テスト1日目となりました。
※本記事は毎日新聞(2026年1月17日配信)および関連報道をもとに構成しています。


