2025年12月25日、法制審議会の部会が「危険運転致死傷罪」の適用要件を見直し、明確な数値基準を導入する要綱案をまとめました。
これにより、一般道で時速110キロ以上の走行による人身事故は、原則として「危険運転」に該当する可能性が高まります。
本記事では、朝日新聞の報道をもとに、
- 危険運転の新しい速度基準
- 飲酒運転の数値基準
- ドリフト走行の新たな位置づけ
- 法改正の背景と今後の影響
をわかりやすく解説します。
危険運転致死傷罪とは?|これまでの問題点
「危険運転致死傷罪」は、悪質な運転によって人を死傷させた場合に適用される重い罪です。
しかしこれまで、
- 「著しい速度超過」とはどの程度か
- 「制御困難な運転」の判断基準があいまい
といった理由から、検察が立件を断念したり、裁判で過失運転にとどまるケースが少なくありませんでした。
今回の見直しは、こうした“あいまいさ”を解消するための大きな一歩といえます。
【新基準】時速110キロ以上で「原則、危険運転」
今回示された高速度の数値基準は以下のとおりです。
■ 速度超過の基準
- 最高速度60キロ以下の道路
→ 50キロ超過 - 最高速度60キロ超の道路
→ 60キロ超過
つまり、一般道(制限60キロ)で時速110キロ以上で人身事故を起こした場合、
👉 原則として危険運転致死傷罪が適用されます。
また、基準を10キロ下回る場合でも、事故状況や運転態様次第では危険運転と判断される可能性があります。
飲酒運転も数値で明確化|呼気0.5mg以上が基準
飲酒運転についても、明確な数値が示されました。
- 呼気1リットルあたり0.5ミリグラム以上
これは、体重60キロの人がビール大瓶2本程度を飲んだ状態に相当するとされています。
これにより、
「酔っていなかった」「運転できると思った」といった主観的な主張は、通用しにくくなると考えられます。
ドリフト走行も新たに「危険運転」に
今回の要綱案では、
- タイヤを滑らせる
- 車体を浮かせる
といった、いわゆる「ドリフト走行」も、危険運転として明確に位置づけられました。
SNSや動画投稿を目的とした危険なパフォーマンス走行に対して、より厳しい対応が可能になります。
法改正はいつ?今後のスケジュール
- 2026年2月ごろ:法相へ正式答申
- 2026年通常国会:自動車運転死傷処罰法の改正案提出予定
今後、国会審議を経て成立すれば、施行時期が正式に決定される流れです。
ネットの声|「基準が明確になるのは評価」
今回の見直しについて、ネット上ではさまざまな意見が出ています。
- 「危険運転の基準をはっきりさせるのは良い」
- 「30キロ制限の道で80キロは危険じゃないの?」
- 「速度や飲酒を正確に証明するためドラレコ義務化を」
特に、EDR(事故時データ記録装置)やドライブレコーダーの重要性を指摘する声も多く、
今後は証拠の記録・保存も大きなテーマになりそうです。
まとめ|「スピードの出しすぎ」は言い訳できない時代へ
今回の要綱案は、
👉 「危険運転かどうか分からない」時代から、「数値で判断される」時代への転換点です。
- 一般道で時速110キロ
- 明確な飲酒数値
- ドリフト走行の明示的禁止
これらはすべて、被害者を減らすための現実的な法改正といえるでしょう。
今後、運転者一人ひとりが
「少しくらい大丈夫」という意識を捨て、
法と命の重さを意識することが、これまで以上に求められています。
※本記事は、2025年12月25日配信の朝日新聞報道をもとに構成しています。


