全国的にクマの出没が相次ぐなか、警察庁は11月13日から、機動隊の警察官によるライフル銃でのクマ駆除 を秋田県・岩手県で開始します。
従来のハンター頼みの体制から、行政と警察が一体となった「緊急対応チーム」 を設ける形です。
近年のクマ出没は「山の実り不足」や「里山開発」など複数の要因が指摘されており、今回の新体制は地方の安全を守るための“現実的な一歩”と注目されています。
クマ駆除に警察官が出動する新体制とは?
警察庁は、クマの生活圏が人里にまで拡大し、ハンターの出動が間に合わないケース に備えるため、
ライフル銃を扱える機動隊員を中心としたチームを秋田・岩手両県に配置します。
構成は以下の通りです。
- ライフル銃を持つ射撃手:2名
- 指揮官:1名
- 市町村との調整役:1名
合計4名で1チームを組み、各県に2チームを設置。
現場に出る際は、市町村や地元ハンターと連携しながら、出動の要否を判断します。
また、6日からは他県の銃器対策部隊が現地入りし、クマの行動特性や現場の地理的リスクを学ぶ訓練 を進めているとのことです。
一方で、猟友会からは「警察官の駆除に懸念」も
一方、全国のハンターが所属する「大日本猟友会」は、自衛隊や警察がクマ駆除に直接関与することに懸念を表明。
理由は以下の通りです。
- クマは非常に危険で、射撃経験が浅い警察官では危険が大きい。
- 自衛隊が野生動物対策に出ることは「本来の国防任務から逸脱」する可能性がある。
- クマ被害の根本原因は、森林管理や個体数調整の不足 にある。
同会はまた、現場対応の混乱や、緊急銃猟に関する責任の所在(跳弾事故など)についても制度整備を求めています。
森林ジャーナリスト・田中淳夫氏の指摘「利権と縄張り意識」
森林ジャーナリストの田中淳夫氏は、次のようにコメントしています。
「地域外のハンターが協力しようとすると、地元猟友会が反対する例も多い。
駆除業務や奨励金をめぐる“縄張り意識”が背景にある。」
この発言は、長年の猟友会中心の体制に対し、外部からの協力や改革を阻む構造的課題 を浮き彫りにしました。
現場の高齢化や担い手不足も深刻で、国・自治体・警察・ハンターの「本気の協働」が求められています。
クマ出没が増える原因とは?
猟友会や専門家の分析によると、クマ出没が増える主な理由は次の通りです。
- ナラ・ブナなど「実のなる木」の不作
- イノシシ増加による食糧競合
- 里山開発・メガソーラー建設による生息地破壊
- 中山間地域の空き家増加による冬眠場所の拡大
- クマの食性変化(鹿など動物性たんぱくの摂取)
つまり、クマの行動変化は“自然の異変”だけでなく、人間社会の土地利用や経済活動が密接に関わっている のです。
私の考え:今こそ「協力型のクマ対策」を
私は、今回の警察庁の決定はやむを得ない現実的対応 だと考えます。
すでに住宅街での被害、登山者の襲撃など、人命を脅かす事件が相次いでいます。
ハンターだけに頼る時代は終わり、
「警察・自衛隊・地域住民が連携した新しいクマ対策」が求められているのではないでしょうか。
確かに銃の扱いや現場判断には慎重さが必要ですが、命を守るための行動をためらうべきではありません。
安全第一で、警察チームと地域が協力し、実効性のある体制を築いてほしいと思います。
今後の課題と展望
- クマ個体数の長期的な管理
- 森林環境の回復とブナ林再生
- 狩猟者・捕獲者の育成制度の整備
- 駆除作業への適切な報酬と補償制度
これらを同時に進めることで、
「撃つ」「守る」だけでなく、“共存できる自然環境”の再構築 が可能になるでしょう。
【まとめ】クマ出没対策は“銃”だけでなく“協働”がカギ
秋田・岩手で始まる警察官によるライフル銃駆除は、全国的なクマ問題における試金石です。
批判や不安の声もありますが、最前線で危険と向き合う人々の努力を支え、地域の安全を守るための一歩といえます。
これから冬眠期を迎えるクマたちと、雪国の住民。
その共存をどう守るのか——「現場の声を活かした協力体制づくり」が、これからの課題となりそうです。


