京都・嵐山「竹林の小径」で落書き被害 対策として竹をセットバック伐採へ|観光地のマナー問題と今後の課題

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世界的な観光名所・京都の嵐山「竹林の小径」で、竹への落書き被害が深刻化しています。京都市と地元団体は2025年11月19日、被害防止策として道から1メートル後退(セットバック)させる形で竹を25本伐採する試験的な取り組みを実施しました。

この記事では、落書き被害の現状、セットバックの目的、観光地を守るために何が必要なのかを詳しく解説します。


■ なぜ「竹林の小径」で落書きが相次いでいるのか

京都・嵯峨嵐山の「竹林の小径」は、四季を問わず国内外から観光客が訪れる人気スポット。しかしここ数年、石や鋭利な物を使って竹に名前・記号・メッセージを彫り込む被害が急増しています。

・竹の表皮が深く傷つき、景観が大きく損なわれる
・傷が進行し劣化、竹が倒れるリスクも上昇
・修復が困難で、放置すれば文化景観そのものが崩壊

被害の多くは「道に近い竹」に集中しており、手が届く範囲の竹から次々と落書きされている状況です。


■ 対策として「セットバック伐採」を実施

京都市と地元団体は、落書き防止策として次のような対処を開始しました。

  • 竹25本(約30㎡)を伐採
  • 道から1メートル後退させる「セットバック」方式
  • 被害のある4本だけでなく、無傷の竹も予防のため伐採
  • 景観への影響を確認しながら半年ほど検証

道から距離を取ることで、観光客が竹に手を伸ばして触れにくくなり、落書き行為を防止する狙いがあります。


■ ネット上でも悲しみと怒りの声が多数

ヤフコメでも、この問題に対する反応は非常に大きく、「観光地を守るにはどうすべきか」という議論が活発に行われました。

● 罰金強化を求める声が圧倒的

多くのユーザーが

「落書きには高額罰金を科すべき。世界の観光地では当たり前」

という意見を投稿していました。

「マナーやモラルに期待するのはもう限界」「罰金を整備費に回すべき」など、現状の甘い処分では抑止力が弱いという声が目立ちます。

● 落書きに対する“理解できない”という感情

中には、

「なぜこんな美しい場所に落書きするのか、全く理解できない」「悲しい」

という純粋な怒り・悲しみのコメントも多く寄せられていました。


■ なぜ観光地の落書きはなくならないのか

専門家によると、日本の観光地で落書きが増える背景には次のような理由があるとされています。

  • 観光客の増加(特にインバウンド)によるマナー格差
  • 罰則が緩い・注意する人がいない
  • 「記念として残したい」という身勝手な心理
  • 混雑による監視の目の低下

特に海外の観光地では、落書き行為に対し数万円〜数十万円レベルの罰金が科されることが多く、日本の対策が遅れているという指摘もあります。


■ 今後必要なのは「物理的な対策」+「罰則強化」

セットバック伐採は有効な対策のひとつですが、それだけでは限界があります。

✓ 高額罰金の導入
✓ 監視カメラや巡回の強化
✓ 多言語での注意喚起
✓ ガイド・旅行会社との連携

これらを組み合わせて初めて、観光地の文化景観を守ることができます。


■ まとめ:美しい景観を守るのは「制度」と「意識」

京都・嵐山の竹林は、日本を象徴する観光スポット。今回のセットバック伐採は、失われつつある景観を守るための大きな一歩といえます。

しかし最終的に景観を守るのは、観光客一人ひとりの意識と、落書き行為を許さない社会の仕組みです。

今後半年の実証結果が、全国の観光地の落書き対策のモデルとなることが期待されます。


参考:京都新聞(2025年11月19日)