「会社を休むことに罪悪感を持つ」──実はこれは中高年だけの問題ではありません。最新調査によると、最も休むことに後ろめたさを感じているのは、なんと 20代の若い世代(Z世代) でした。
働き方改革が進んでもなお、日本人が休めない理由とは何なのか?
この記事では、
- 罪悪感を抱く心理(内的要因)
- 職場環境による外的要因
- 世代別の傾向
- 今日からできる解決策
を徹底解説します。
さらに、自分の休む罪悪感レベルがわかる セルフ診断チェック も掲載しています。
■ 6割が「休むことに罪悪感」──国際比較では日本がワースト
エクスペディアの「有給休暇の国際比較調査2018」によれば、
- 有給休暇取得に罪悪感がある日本人:58%(12カ国中最多)
休むことが「悪」と感じてしまう国民性が如実に表れています。
また、2019年に義務化された「年5日の有給付与取得」も、制度としては整いつつありますが、実際の取得率は依然として低いままです。
■ “最も休めない世代”は意外にもZ世代(20代)
「2023年 日本人の休み方実態調査」によると、
- 20代:44.03%が「休むことに罪悪感がある」と回答(全世代で最多)
理由の多くは以下の通りです:
- 「同僚に迷惑をかけるから」
- 「周りが働いていると休みにくい」
- 「相談するのも気が引ける」
また、メディプラス研究所の「ココロの体力測定2019」では、
- “休まないことを美徳”だと思う割合=Z世代が最多(26.06%)
という驚きの結果も。
● Z世代は「迷惑をかけないこと」に過敏な世代
カウンセリング現場でも20〜30代は特に
- 周囲への配慮が強すぎる
- 相談さえもためらう
- 仕事を抱え込み残業が増える
という傾向が見られます。
■ 休むことができない理由①:日本人に根付く「内的要因」
日本人の休めなさは、単なる性格ではなく文化的背景が深く影響しています。
● 江戸時代から続く“勤勉”の価値観
- 「働かざる者食うべからず」
- 「お天道様が見ている」
この2つの価値観は、「怠けてはいけない」「休むのは悪」という意識の原型です。
● 近代化で強化された自己犠牲の精神
明治期以降、勤勉さは国家の成長に不可欠とされ、
- 個人より組織優先
- 長時間労働は美徳
- 我慢・根性が評価される
という思想が強固に。
● 高度経済成長期〜バブル期の成功体験
- 「モーレツ社員」
- 「24時間戦えますか?」
この成功体験が「休む=悪」の価値観をさらに定着させました。
■ 休むことができない理由②:現代の職場が抱える「外的要因」
● 業務の属人化が深刻
日本企業の多くはマニュアル化が遅れ、
- 「あの人じゃないとできない仕事」が多い
- 誰かが休むと代わりがいない
という構造が続いています。
● 人手不足の加速
特に中小企業では、
- 有給を取ると仕事が回らない
- 結果として休みにくい風土が続く
と指摘されています。
● 今も残る「働いている人のほうが評価される」文化
- 長時間労働=頑張っている
- 有給=怠けている
と評価する上司がいる職場では、有給制度は形骸化します。
■ なぜ若者は休めないのか ─ 専門家の指摘
ヤフコメでも専門家が次のように指摘しています。
●① 若者は「休むと不利益になる」経験をしている
スポットワーク(UberEats、タイミー等)では、
- 欠勤がAIによってマイナス評価
- アカウント停止のリスク
- 学生時代から“休む不利益”を体感
これが「休むのが怖い」という若者心理につながっています。
●② 親世代も休めていない
中小企業に勤務する親世代が休めないため、
- 「簡単に休んでいいよ」という教育になりにくい
- 家庭でも罪悪感が継承されてしまう
という指摘も。
■ 「休めない職場」は今後ますます淘汰される
専門家の見解では、今後人手不足がさらに悪化するため、
- 休みやすい企業ほど若者から選ばれる
- 休めない企業は、人手不足倒産のリスクが上がる
という未来が予測されています。
■ 休むことに罪悪感を覚える人が今すぐできる対策
● 1. 業務を「属人化」させない
- マニュアル化
- 仕事の棚卸し
- 引き継ぎ計画の整備
● 2. 相談・共有を“悪いこと”と捉えない
相談は迷惑ではなく「仕事の質を上げる行為」です。
● 3. 「休むことは権利」と理解する
欧州では休暇を取らないほうがむしろ違反行為。
日本も法律で取得が義務化されています。
● 4. 1日ではなく「半休」「時間単位有給」から始める
心理的ハードルが低く、休む練習として有効。
■ まとめ:休むことは“生産性を上げる最も簡単な戦略”である
日本は世界でも休暇への罪悪感が突出して高い国です。
しかし、科学的には
- 休む人のほうが集中力・生産性・創造力が高い
- 疲労を蓄積させる人ほどパフォーマンスが落ちる
ということが明確に実証されています。
「休む=迷惑」「休む=悪いこと」という思い込みを捨て、
会社・社会・個人のいずれにとってもプラスになる“戦略的休暇”を実践していきましょう。


