2025年の冬、日本経済にとって象徴的なニュースが報じられました。
大企業の冬のボーナス平均額が初めて100万円を突破したのです。
経団連の発表によると、大手企業164社の冬のボーナス平均は100万4841円。比較可能な1981年以降で初の100万円超えとなり、前年比8.57%増と4年連続のプラスを記録しました。
一見すると「景気回復」「賃上げ定着」と明るい話題に聞こえますが、SNSやヤフコメでは強い違和感を訴える声が相次いでいます。
大企業の冬ボーナス、業種別で見える明暗
今回のボーナス増加は、特に輸出関連企業がけん引しました。
- 増加率トップ:自動車業界(17.25%増)
- 支給額トップ:建設業(平均135万4639円)
円安の恩恵や海外需要の回復が背景にあり、経団連も
「賃上げを続ける機運が定着してきた」と分析しています。
春闘前に加速する「賃上げ競争」
さらに注目されているのが、来年の春闘を見据えた賃上げの動きです。
- 大和証券グループ本社
ベースアップ・定期昇給・自社株支給を合わせて平均5%程度の賃上げ - 日本生命
営業職員を対象に6%超の賃上げ方針
「金利のある世界」への転換で、金融業界を中心に賃上げ余力が広がっています。
しかし…「日本の大半」はその輪の外にいる
問題はここからです。
日本の企業の99.7%は中小企業。雇用の約7割を支えているのも中小企業です。
にもかかわらず、
- ボーナス支給なし
- 支給額の減額
- 物価高・金利上昇で賃上げどころではない
という現実が、多くの中小企業にあります。
ヤフコメでも
「大企業164社の平均だけで景気が良いと言われても、実感がない」
「平均値が格差を隠している」
といった声が多数を占めました。
大企業と中小企業の賃金格差はなぜ広がるのか
背景には、いくつもの構造的な問題があります。
● 正社員削減と非正規化
大企業が正社員を減らし、契約社員や派遣に置き換えることで人件費を抑制。
● 下請け構造と価格転嫁の壁
中小企業は原材料費や人件費が上がっても、取引先に価格転嫁できない。
● 人口減少による内需縮小
内需型の中小企業は市場自体が縮小し、賃上げ余力を失っています。
「就職氷河期世代」が置き去りにされたまま
特に深刻なのが、就職氷河期世代の問題です。
- 正規雇用のチャンスを失ったまま非正規で働き続ける
- 賃上げやボーナスの恩恵をほぼ受けられない
- 老後不安が現実問題になっている
大企業が過去最高益・最高ボーナスを更新する一方で、
「取り残された世代」が存在することを忘れてはなりません。
平均100万円は「日本の景気」を表していない
今回のボーナス100万円超えは、確かに一部の大企業にとっては朗報です。
しかしそれをもって、
- 日本全体の景気が良くなった
- 賃上げが広く浸透している
と結論づけるのは危険です。
平均値だけを切り取れば、格差の実態は見えなくなるからです。
本当に必要なのは「格差を埋める経済政策」
今、求められているのは
- 中小企業への価格転嫁支援
- 正規雇用を増やす環境整備
- 実質賃金を押し上げる政策
- 過去に置き去りにされた世代への再分配
ではないでしょうか。
大企業の好調さが、中小企業や労働者全体に波及してこそ、本当の景気回復と言えるはずです。
まとめ|「100万円ボーナス」の裏で何が起きているのか
- 大企業の冬ボーナスは初の平均100万円超え
- 春闘前に賃上げの動きも加速
- しかし中小企業との格差は拡大
- 平均値では日本の実態は見えない
このニュースを「景気回復の象徴」として終わらせるのか、
それとも「格差拡大の警鐘」として受け止めるのか。
私たち一人ひとりが、数字の裏側に目を向ける必要があります。
※本記事は TBS NEWS DIG Powered by JNN(12月24日配信) の報道内容をもとに構成しています。


