アルコールの健康リスク、女性は特に注意 少量でも肝硬変の恐れあり

時事・ニュース

11月10日から始まる「アルコール関連問題啓発週間」。飲酒の健康リスクが注目される中で、特に女性は少量の飲酒でも肝硬変などの深刻な健康被害を受けやすいことが、近年の研究で明らかになっています。

かつては「適度なお酒は体に良い」と言われていましたが、世界的にはその認識が大きく変化しています。世界保健機関(WHO)は「健康に影響を及ぼさない安全な飲酒量は存在しない」と明言しており、米疾病対策センター(CDC)も「飲酒量は少なければ少ないほど良い」との見解を示しています。

女性の方がアルコールに弱い理由

厚生労働省によると、女性は男性と比べて体内の水分量が少なく、アルコールを分解できる能力も低いとされています。さらに女性ホルモンがアルコールの代謝を妨げることもあり、男性と同じ量を飲んでいると短期間で肝障害を起こす可能性があります。

実際、「リスクが高い」とされる1日の純アルコール摂取量は、男性40グラム以上、女性20グラム以上。350ml缶ビール(アルコール度数5%)に換算すると、男性は約2.8本、女性は約1.4本でリスクラインを超える計算です。

女性の飲酒率が上昇中

ニッセイ基礎研究所の調査によると、リスクが高い飲酒をしている人の割合は、男性で14.1%、女性で9.5%。男性は横ばいですが、女性は年々上昇しています。特に40〜50代の女性で飲酒習慣が増えており、社会進出やストレスが影響しているとも言われています。

研究をまとめた村松容子主任研究員は「女性は飲酒を続ける傾向が強く、飲み過ぎに気づきにくい。リスクを理解し、意識的に飲酒量を抑えることが重要」と指摘しています。

「自分は大丈夫」と思わないで アルコール依存の実態

ヤフーコメント欄でも、アルコール依存の当事者からの切実な声が寄せられています。

最初は飲み会などの機会で酒を飲むだけだったのが、次第に晩酌の習慣がつき、今では毎晩気絶するように眠るほど飲んでいます。

「今日でやめよう」と思いながらも、結局コンビニやデリバリーで酒を追加してしまう。節酒ができず、飲むか、やめるかの二択しかない状態です。

— ヤフーコメントより

アルコール依存症は自覚しにくい病気であり、「少しだけ」「ストレス解消のため」といった理由で続けているうちに、依存が進行していくケースが多くあります。

世界の流れは「飲まない」方向へ

欧米ではすでに「ノンアル文化」が定着しつつあります。米CDCの最新ガイドラインでは、男性の適正飲酒量は純アルコール28グラム以下、女性は14グラム以下。日本で言われている基準よりも低く設定されています。

世界的なトレンドとして、「飲まない生き方」=ウェルネス(健康志向)という価値観が広がっています。ノンアルコールビールやモクテル(ノンアルカクテル)の人気もその象徴です。

健康を守るために今できること

  • 飲酒の「量」ではなく「頻度」を減らす
  • 週に2日は完全休肝日を設ける
  • 「1本だけ」のルールを決めて守る
  • ストレス解消を他の方法(運動・入浴・読書)に置き換える
  • 依存の兆候(コントロール不能・記憶がないなど)があれば専門機関に相談

アルコールは少量でも健康に影響を与える可能性があります。「飲まない勇気」も、これからの時代の健康習慣です。

あなたの心と体を守るために、今日から意識を変えてみませんか?


参考:厚生労働省/ニッセイ基礎研究所/WHO/CDC