広島でコンサートが開催されにくい? “広島飛ばし”の現状
人気アーティストが全国ツアーを行う際、中四国最大都市・広島を飛ばして他の都市で公演を行う――。
そんな現象が「広島飛ばし」としてSNSでも話題になっています。
一見「広島に魅力がないのでは?」と思われがちですが、実際には運営側の事情が大きいのです。
広島県では4年連続で「転出超過(出ていく人が入ってくる人を上回る状態)」が全国最多。
若者が地元を離れる要因の一つとして、エンタメ機会の少なさも挙げられています。
運営側の本音:「飛ばしているのではなく、飛ばされている」
広島県内でコンサートを手掛けるキャンディープロモーション企画制作部・中島潤也部長はこう語ります。
「嫌なフレーズです。アーティスト事務所から広島公演のリクエストが来ても、組み込めないんです。
飛ばしているのではなく、飛ばさせられているのはこちら(運営)側なんです」
その理由のひとつが、県立総合体育館「広島グリーンアリーナ」の使用制限。
スポーツ優先の“10%ルール”とは?
広島グリーンアリーナは約1万人を収容できる県最大級の多目的アリーナ。
しかし、県のスポーツ振興方針により「有料興行は年間開館日の10%まで」というルールが存在します。
つまり、1年のうち36日ほどしかコンサート利用できないのです。
この独自ルールに対し、他県のイベント関係者からは驚きの声も。
「他県ではこんな制限は聞いたことがない」
(中島潤也部長)
スポーツ振興とエンタメの共存は可能か?
グリーンアリーナはもともと運動施設であり、地元の児童や学生にとって憧れの会場。
また、Bリーグの「広島ドラゴンフライズ」が2025シーズンからホームとして使用予定です。
これに伴い、県は平日の10%制限を撤廃。
しかし、ライブ運営側は「平日開催では集客が難しい」と慎重な姿勢を見せています。
「平日だと学生や遠征組の負担が大きく、ハードルが高いです」
宿泊・交通・施設…三重苦が“広島飛ばし”を招く
Yahoo!ニュースのコメント欄でも、こんな声が多数寄せられています。
「イベントがあるとホテルがすぐ満室。料金も高騰してしまう」
「紅葉シーズンには岡山に泊まって新幹線で往復した方が安かった」
「大阪や福岡の方が交通の便が良く、効率的にツアーを組める」
広島は観光地として人気がある反面、宿泊施設不足・アクセス課題・大規模会場不足が、
結果的にアーティストやイベント会社を遠ざけているのです。
新アリーナ建設に期待!広島の未来はこれから
全国では続々と新しいアリーナやコンサートホールが建設されています。
一方、広島や中国地方では既存施設の改修工事が続く予定で、会場不足は当面続きそうです。
しかし、これをきっかけに行政が新アリーナ建設を進めれば、
「広島飛ばし」は過去のものになるかもしれません。
私の意見:魅力ある“音の街・広島”を取り戻してほしい
先日も同じテーマの記事を取り上げましたが、今回の報道で改めて感じました。
広島には観光地としての魅力が十分にある一方で、
宿泊・交通・施設などのインフラ面では課題が多いのが現実です。
エンタメは街の活気をつくる原動力。
スポーツも音楽も、どちらも地域を元気にする大切な文化です。
行政・民間・県民が協力して、「広島でしか味わえないライブ体験」を実現できるよう願っています。


