うどんチェーン「丸亀製麺」を運営するトリドールホールディングスは、店長クラスの年収を最大2000万円に引き上げる新たな人事制度を発表しました。これまでの店長年収は最大520万円ほどでしたが、大幅な待遇改善が行われることで、外食業界でも注目を集めています。
丸亀製麺の新制度「ハピカンキャプテン」
今回導入されるのは、店長に代わる新たな役職「ハピカンキャプテン」。この名称は、従業員の幸福感（ハピネス）とお客さまの感動（カンドウ）を合わせた造語で、店舗運営において“人の満足度”を重視する役割を担います。
ハピカンキャプテンには、以下の4つのランクが設けられています。
- ノーマル
- スター
- エクセレント
- グレート（最上位）
年収は500万円から始まり、最上位の「グレート」では最大2000万円に達する可能性があります。
評価基準は売上＋AIによる満足度分析
これまで店長は発注やシフト作成など事務作業に追われがちでしたが、新制度ではそれらを副店長以下に任せ、ハピカンキャプテンはお客さま・従業員の満足度向上に集中します。
具体的な評価基準は以下の通りです。
- 店舗売上
- 顧客の感想
- 従業員の声（AIによる分析）
数値だけでなく、働く人や来店客の満足度も反映される仕組みです。
3年で300人を育成、2000万円級は10人を目指す
トリドールは今後3年間で、全国約1150店舗のうち300人をハピカンキャプテンに育成。そのうち最上位グレードで2000万円に達する人材を10人育成する方針です。すでに一部店舗では取り組みが始まっており、売上アップの成果も出ているといいます。
外食業界全体に広がる「店長高年収化」
丸亀製麺だけでなく、外食業界全体で店長の待遇改善が進んでいます。すかいらーくHDでは「ガスト」などの店長年収を最大1000万円超に引き上げ。ゼンショーHDも2030年までの継続的な賃上げを発表しています。
背景には、外食産業全体の人材不足と離職率の高さがあります。給与水準を上げ、優秀な人材を確保・定着させる狙いがあるのです。
ヤフコメの主な意見まとめ
今回の発表に対して、ヤフーニュースのコメント欄ではさまざまな意見が寄せられています。
- 労働環境の改善が必要： 飲食業界は長時間労働・低賃金というイメージが強く、年収だけでなく労働環境の改善がなければ人材確保は難しいという声。
- 外国人労働者の存在： すでに外国人店長が増えており、飲食店運営を支えている。日本人労働者も危機感を持ち、スキルやマネジメント力を磨く必要があるとの意見。
- 前向きな期待： 高待遇によって、飲食業界のイメージ改善や人材流出の防止につながるのではと期待する声。
私も、給与水準の引き上げだけでなく、働きやすい環境づくりが進むことが最も重要だと感じます。こうした制度が定着すれば、飲食業界の魅力がさらに高まるのではないでしょうか。
まとめ
丸亀製麺の「ハピカンキャプテン」制度は、単なる給与引き上げではなく、働く人とお客さま双方の満足度を重視する新しい人事制度です。3年後には300人のハピカンキャプテンを育成し、最上位グレードでは2000万円という夢のある年収が目指せます。
外食業界の人材獲得競争は今後ますます激しくなりそうです。丸亀製麺の挑戦は、他の飲食チェーンにも大きな影響を与えることになるでしょう。
