2025年9月29日、東京・港区のホテルで、国民的アニメ「ドラえもん」の声を長年担当した声優・大山のぶ代さん(享年90)を偲ぶ会が開かれました。会場には発起人の毒蝮三太夫さんをはじめ、芸能界や声優仲間、関係者など約250名が集まり、大山さんを偲びました。
「ドラえもん」の声で育った世代にとっての象徴
大山のぶ代さんは1979年から2005年までの26年間、テレビアニメ「ドラえもん」の主人公・ドラえもんを担当。その特徴的で温かい声は、世代を超えて多くの人に愛され続けています。頼りないのび太を叱咤激励しながら支えるドラえもんの声は、日本中の子どもたちに夢と安心感を届けました。
仲間たちからの温かいメッセージ
偲ぶ会では、数々の仲間たちが思い出を語りました。毒蝮三太夫さんは「砂川啓介さん(大山さんの夫)の葬儀で弔辞を頼まれたとき、本当に辛かった」と胸中を吐露。黒柳徹子さんからはビデオメッセージが寄せられ、大山さんとの思い出や功績を称える映像も上映されました。
野村道子さん(しずかちゃん役)
1979年から2005年までしずかちゃんを担当した声優・野村道子さんは、「大山さんは私にとって頼れるお姉さんのような存在でした」と語り、さらにしずかちゃんの声で「ペコちゃん(大山さんの愛称)、本当にありがとう。今も私、あなたに会いたいわ」と涙ながらに呼びかけました。
野沢雅子さん(孫悟空役などで活躍)
声優界の大ベテラン・野沢雅子さんも「ペコの声は唯一無二でした。皆を笑顔にしてくれたことに感謝しています。私はまだこちらで頑張りますので、どうか見守ってください」と、大山さんに別れではなく「ありがとう」を伝えました。
水田わさびさん(現・ドラえもん役)
現在のドラえもんの声を担当する水田わさびさんは、「20年前に大きなバトンを受け取りました。先輩たちが築いてくれたレールの上で安心して演じられています。大山さんはスタジオを明るくする唯一無二の存在でした」と語り、敬意を表しました。
祭壇を彩った花と映像
会場には大山さんが好きだった紫と白の花が飾られ、中央には「ドラえもん」映画のインタビュー時の写真が置かれました。映像上映では「徹子の部屋」出演シーンやドラえもん台本を手にした姿などが流れ、最後には「皆さん、お元気で」という大山さんの声が響き、場内を温かい拍手が包みました。
「私にとってのドラえもん」
私自身、子どもの頃に何度もテレビで「ドラえもん」を見て育ちました。漫画本もアニメも大好きでした。頭に浮かぶドラえもんの声といえば、やはり大山のぶ代さん。独特の優しい声色に安心し、笑ったり泣いたりしながら夢をもらっていました。改めて、大山さんの存在の大きさを感じます。
まとめ
- 大山のぶ代さんの一周忌追悼会が東京で開催
- しずかちゃん役・野村道子さんが声で感謝のメッセージ
- 野沢雅子さん・水田わさびさんら声優仲間が思い出を語る
- 「ドラえもん」の声として世代を超え愛された存在
大山のぶ代さんが遺した「ドラえもん」の声は、これからも多くの人々の心に生き続けるでしょう。天国でも、きっと子どもたちに笑顔を届けてくれているに違いありません。