米国でスターバックスが相次いで閉店。高価格・ボイコット・組合問題など、かつて“安心とブランドの象徴”だったコーヒーチェーンが直面する「価値観の転換」とは?
スターバックスが北米で大量閉店へ その背景にあるのは「価格」と「信頼の揺らぎ」
米国の大手コーヒーチェーン「スターバックス」が、北米店舗の約1%を年末までに閉鎖すると発表しました。 同時に、900人の従業員削減も行うといい、業界に衝撃が走っています。
ニューヨークではすでに50店舗以上が予告なく閉店。財務状況の悪化が理由とされていますが、実際には消費者の「価値観の変化」も無視できません。
「高すぎる」スタバ離れ コーヒー1杯の価値が問われる時代
ビジネスSNS「リンクトイン」で実施された世論調査では、回答者の53%が「スターバックスのコーヒーを飲まない」と回答。 理由の多くは「価格が高いから」でした。
外食コンサル企業テクノミックの調査でも、スターバックスは「最も価格が高いコーヒーチェーン」との評価。 また、レンディングツリーの調査によると、米国人の8割がファストフードを「ぜいたく品」と感じているという結果も。 つまり、コーヒー1杯にも「節約意識」が浸透しているのです。
デロイトの調査では、コーヒー愛好家の70%が「毎日自宅でコーヒーを入れている」と回答。 自宅での“プチカフェ時間”がスタバに代わる選択肢になっているようです。
労働組合問題やボイコットも影響
さらに深刻なのが、企業イメージを揺るがす「労働組合問題」です。 閉鎖予定の店舗のうち約60店舗は労働組合に加盟しており、スターバックスは“組合つぶし”との批判を受けています。
また、2023年には「パレスチナ連帯」投稿をめぐる訴訟をきっかけに、消費者によるボイコット運動も拡大。 こうした社会的問題がブランド離れを加速させている可能性があります。
かつての「流行の場」から「距離を置くブランド」へ
スターバックスといえば、かつては「おしゃれな空間で仕事もできるカフェ」として、世界中の若者に愛されてきました。 しかし今では、“高価格”“企業姿勢への不信感”などが理由で、スタバ離れが進んでいるようです。
一方で、地域密着型のカフェや個人経営のロースタリーなど、より個性やストーリーを重視するカフェが支持を集めています。 「どこで飲むか」よりも、「誰の想いがこもった一杯か」が重視される時代に変わってきているのかもしれません。
日本でも変化の兆し? それでも根強い人気
日本でも、スターバックスの高価格に疑問を感じる声が増えています。 「コンビニコーヒーやドトールで十分」「昔より行かなくなった」といった意見も少なくありません。
私自身も最近スタバに行っていないことに気づきました。 カフェ巡りは好きですが、気づけば個人経営のカフェや喫茶店を選ぶようになっています。 それでも、海外旅行のときにスタバを見つけると、安心して入ってしまう自分もいます。 やはり“スターバックス=安心感”というブランドイメージは、まだ根強く残っているのかもしれません。
これからのスターバックスに必要なものとは
スターバックスが再び人々の信頼を取り戻すためには、単なる値下げではなく「企業の誠実さ」や「従業員への投資」が不可欠です。 消費者は今、企業の姿勢そのものを見ています。
ブランドが本当の意味で“サステナブル”であるためには、環境への配慮だけでなく、従業員を尊重し、社会と向き合う姿勢が求められているのです。
まとめ
- スターバックスは北米で1%の店舗を閉鎖、従業員900人を削減
- 価格の高さや社会的イメージへの不信感が「スタバ離れ」を加速
- 自宅でコーヒーを楽しむライフスタイルが拡大中
- ブランド再生の鍵は「価格」ではなく「信頼」と「誠実さ」
私の感想
私も最近スターバックスに行っていません。 以前は新作フラペチーノを試したり、友達と休憩する時はスターバックスを選んでいましたが、今は価格面でも気軽に行けなくなりました。 ただ、海外に行ったときにスタバのロゴを見ると、どこか安心して立ち寄りたくなる――それほどブランドの力はまだ大きいと感じます。 これからのスターバックスが、消費者の信頼をどう取り戻すのか注目していきたいです。


