回転寿司チェーン大手「くら寿司」の山形南館店(山形市)で、来店客がレーン上のすしを素手で触ったり、しょうゆ差しから直接飲むような迷惑行為を行い、その様子をSNSに投稿した動画が拡散しました。 くら寿司によると、店舗および実行者はすでに特定されており、地元警察と連携して厳正に対応を進めているとのことです。
くら寿司「すぐに全ての商品を入れ替え」 衛生管理を徹底
くら寿司は公式コメントで、次のように発表しています。
山形南館店における迷惑行為につきまして
――くら寿司 公式コメントより
「先週末にネットに投稿されました、当社店舗における迷惑行為につきまして、当該店舗の商品につきましては、すぐにすべてを入れ替えるとともに、備品につきましても、これまで通り、お客さまが入れ替わるたびに交換し、消毒を行っています。またIT機器の活用により迷惑行為を把握する環境を作っており、お客様にはこれまで通り安心して当社店舗をご利用いただければと思います。尚、実行者についてはすでに特定しており、地元警察に相談しながら対応を進めてまいります。今回のような行為につきましては、多くのお客さまにご利用いただく飲食店として、許される行為ではなく、厳正な対応をしていく予定です。」
すぐに全商品の入れ替えを行い、卓上のしょうゆ差しなどの備品もお客様ごとに交換・消毒。さらに、店内に導入しているAIカメラやIT機器を活用して迷惑行為を早期に発見できる仕組みを整えているとのことです。 こうした迅速な対応は、消費者からも「安心できる」「信頼できる対応」と評価されています。
SNSでの“回転寿司テロ”はなぜ繰り返されるのか
2023年にも同様の事件があり、当時もくら寿司では威力業務妨害容疑で逮捕者が出ました。 AIカメラや警察との連携など、企業側が再発防止策を強化してきたにもかかわらず、再び発生した今回の事件。 背景には「SNSで注目を浴びたい」「面白ければ何でも良い」といった価値観の歪みがあると専門家は指摘します。
記事にコメントされていた弁護士の方は「迷惑行為は犯罪にあたる。SNSへの投稿によって社会的にも重い責任を負うことになる」と強調しています。
一方で、「一度の過ちで若者の人生が壊れてしまうのは悲しい。反省を促し、周囲が正しい方向に導くことも必要」との声もあります。
SNSの「位置情報」が投稿者特定の手がかりに
今回の動画では、「Instagramストーリーズ」や「BeReal(ビーリアル)」が使われており、投稿に含まれていた位置情報が店舗特定の決め手となった可能性もあります。
ITジャーナリストの方は「親しい人限定のSNSでも油断禁物。投稿は簡単に拡散し、完全には消せない」と警鐘を鳴らしています。
SNSリテラシーの低下 “常識”を失った投稿が人生を壊す
私自身、若者が軽い気持ちで行った行為で人生を台無しにしてしまうのは本当に悲しいと思います。 しかし、常識的に考えても、他人が食べるものを素手で触る、しょうゆを直飲みする――こうした行為は到底許されるものではありません。 SNSに投稿すれば、顔や名前がすぐに特定され、消せない形でインターネット上に残ります。 「注目されたい」という一瞬の快楽の代償は、あまりにも大きいのです。
私たち一人ひとりが「見られている」「拡散される」という意識を持ち、SNSを正しく使うことが求められています。
企業側の監視強化も大切ですが、根本的には社会全体のモラル教育も不可欠だと思います。
まとめ:迷惑行為は「ノリ」では済まされない
今回の事件は「回転寿司テロ」と呼ばれ、全国的に大きな波紋を広げています。 迷惑行為は単なる悪ふざけではなく、業務妨害・器物損壊などの犯罪にあたる可能性が高いものです。 くら寿司が見せた迅速な対応は、企業の危機管理として評価できますが、根本の解決には「SNSのモラル向上」が不可欠です。
私たち利用者も、安心して外食を楽しめる環境を守るために、「見かけたら通報する」「拡散はしない」など、小さな行動を意識していきたいものです。


